コウモリの会 著 / 新書判 / 88ページ
ISBN 978-4-8299-1188-4 2011年5月14日発売
定価1,650円(本体1,500円+10%税)
日本に住むコウモリ全35種を収録したコンパクト図鑑。「コウモリ識別ハンドブック」(2005年)と比べ外装・内容ともほぼ全て刷新、新知見に基づいた記述に改めたほか、多くの写真も新撮影のものと差換えた。本改訂版ではコウモリの発する音も収録し、夜行性で目視での識別が困難なコウモリを声で見分けることが出来る(別売の声が聞こえる!ペンにて再生できます。)。
注意
※U-SPEAKをお持ちの方は、専用の音声データを小社ホームページよりダウンロードできます。
※U-SPEAKは販売終了となりました。音声再生ペンをご希望のかたは、別売の声が聞こえる!ペンをお求めください。
毎日新聞 2012年7月15日(日) 東京朝刊「今週の本棚」
この3冊:コウモリ=河合久仁子・選
この一冊に、コウモリ識別ハンドブックが選ばれました。
コウモリ識別ハンドブック改訂版
「コウモリの研究をしています」。こう自己紹介すると、たいていの人は驚くし、怪訝(けげん)な顔をする。一般的に、コウモリへの印象が非常に悪いらしい。ところが、コウモリは地球と人間の暮らしを守る正義の味方、めちゃくちゃ良い動物なのである。昆虫を食べるコウモリは、害虫も含めて大量の虫を食べる。コウモリがいなくなると地球上は虫だらけになってしまうだろう。フルーツや花粉を食べるコウモリは、たねや花粉をいろいろな場所に運び、森の多様性を高めるために一役買っている。また、コウモリは暗闇を飛び回るために、超音波レーダーを使っている。自らが発した声がどのように跳ね返ってくるかをたよりに、暗闇を飛んでいる。この仕組みは、潜水艦ソナーシステムや超音波診断機に応用されている。
夕暮れ時に住宅地や川、田んぼの上を飛び回るコウモリを見たことがある人もいるだろう。都会に住むアブラコウモリだ。彼らも超音波を発しながら餌を探し、蚊などを毎晩大量に食べている。コウモリ探知機を使うと、そんなコウモリの声が聞こえるようになる。